吉岡徳仁展―トルネード

2015年7月2日(木)—8月2日(日)
佐賀県立美術館
佐賀県立美術館のリニューアル記念として、佐賀県出身の吉岡徳仁さんの展覧会が開催されています。
九州初の個展らしいです。
メインの展示は200万本以上のストローを使って竜巻を表現したトルネード。室内ですが、光が散乱してまるで霧の中にいるかのように錯覚してしまいます。
薄い紙をハニカム構造で強度を高めた椅子「ハニーポップ」、水の塊のようなベンチ「ウォーターブロック」、自然の結晶が成長することで姿を現す椅子「ヴィーナス」などの代表作もトルネードの中に調和しつつ展示されています。
最後に広い空間で動画が公開されています。40分弱ありますが、過去から現在までの作品が美しい映像でまとめられており必見です。
吉岡さんの作品は、水、風、雲などの自然現象から着想し、それをシンプルな素材で再構成することを追求されているのですが、体験してみると、実際に自然を前にした時に感じる驚きの感覚「センス・オブ・ワンダー」に近いものが沸き上がってきます。ぜひ生で見ることをおすすめします。
MUJI BOOKS

ネットで何でも買える時代です。
本も本屋に足を運ばずとも、通販ですぐに手に入るようになりました。
では本屋の価値とは何でしょう。
ズバリ、本のセレクトと売り場での並べ方だと思います。
無印良品のMUJI BOOKSは
さ 冊 し 食 す 素 せ 生活 そ 装
といったカテゴリーや、読書家著名人の本棚の紹介など
ユニークな書棚構成になっています。
かなり独特なんですが、ふと、自分が持っている本を見つけると
その周りには読みたい良い本があふれている、という感じです。
予期せぬ自分好みの本に大量に出会える、
すぐに手にとって確かめられる、
興味がなかったジャンルに対しても発見がある、
このあたりはまだまだネットでは体験できない事ですね。
ホンマタカシ 「Seeing Itself-見えないものを見る」

2015年4月26日(日)—8月30日(日)
太宰府天満宮宝物殿第2第3展示室・竈門神社展望デッキ
太宰府天満宮のアートへの入れ込み、すごいですね。受験生だけじゃなくアート好きまで引き寄せるつもりでしょうか。どんどんやってください。
太宰府天満宮アートプログラムにホンマタカシさん登場です。ホンマさんのかねてからの関心だった「見えないものを見る」というテーマ。見えない神様に向かって行われる神事。神社はまさに「見えないものを見る」象徴的な場所と言えます。
修行のように七曜日すべて宝満山に登って撮られたという写真には霊的な存在が宿っているような気にさせられます。
しかし待てよと。
月、火、水…と順番に並べられているんですが、写真にはその証拠となるものはなにも写っていません。曜日どころか場所も宝満山かどうかはわかりません。他のメディアで撮影の様子が紹介されているので実際にその場所で撮られているのは間違いないのですが、写真だけで確認することはできません。
テーマを聞かされる。曜日を記す。これも私たちが写真の中に「見えないものを見る」しかけになっているんだな、と。
「ありがたや」でもいいんですが、しかけという目でも他の作品も見てみてください。
おもしろいです。
自然と建築をつなぐ実践 藤森照信氏

福岡県美しいまちづくり建築賞というものがあるらしく、それの受賞作品発表にあわせて特別講演があり藤森さんが来福されました。おそらく建築関係者が大半の中、紛れ込んで聞いてまいりました。
以下メモ的に―
コルビュジエ、グロピウスらに代表される近代建築には「自然」についての話が出てこない。屋上庭園でちょこっと木を植えたりしているがうまくいっていない。ポルトガルの石の家は、自然でもあり建築でもある見事な存在。
三徳山三佛寺の投入堂からの景色に感動した。なぜかというと植林されているような人の手が入った山でも、建築を通してその山を眺めると本当に神が住んでいるような山に見せる効果があったから。建築物は自然を壊すけれど、建築によって自然が活かされる例もあると思った。
建築物の「目地」を気にする。物の継ぎ目には必ず目地が出る。目地がないのは生物。人工物と生物の特徴の差は目地があるかないか。ところがジェンネの土でつくられたモスクは目地がない。これは建築と自然の接点になるということで土をつかって建築をやろうと思った。
生物は土に還り、物質は炭になる。土と炭を建築に使いたいと思った。
などなど、どれも頷ける話ばかり。
でも理屈はしっかりしていても、やっている建築はどこかやり過ぎてたりしていて、そこがチャーミングなんですよね。やっぱりいいなぁ。
単位展

2015年2月20日(金)—5月31日(日) 21_21 DESIGN SIGHT
あれくらい それくらい どれくらい?
というキャッチコピーのように、そのままでは捉えにくい世界を一定の基準を設けて比較や共有ができるようにするものが「単位」です。
この企画展ではそれら単位を数値だけでなく実際に見たり触れたり体験することでさらにくっきりと世界を実感するとこができます。
1kgって意外に重いなぁとか。5秒ってこんなに長かったっけとか。
いかに自分があいまいにモノやコトを認識しているかがわかります。
これは「単位」の企画展でしたが、同時に「コミュニケーション」の企画展でもあるなと感じました。
「はっきり言葉で示せ」と言われるように、コミュニケーションは言葉に重きを置きがちですが、絵で見たほうがわかりやすいこともあるし、体験しないとそのスケール感は伝わらないこともあるわけです。
さておき、カテゴリーに分けられ、整理され、並べられた空間というのは実に気持ちがいいです。
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