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ジブリの立体建造物展

ghiblirittai

スタジオジブリ

2014年7月10日(木)—12月14日(日) 江戸東京たてもの園

 
ジブリ作品では建造物が登場人物と同等の存在感を放っています。
自分にとってはジブリ映画の楽しみの半分ぐらいは建造物や背景美術かもしれません。

 
そんなわけでこの展覧会、あまり下調べせずに行ってみたのですが、監修がなんと藤森照信さん。好きなものや興味があるものが糸でつながっていくのはなんだか嬉しいものです。
藤森さんは建築史家で建築家なので専門家の視点でジブリの建造物を解説されているんですが、これが面白い。
例えば現在公開中の「思い出のマーニー」について。物語の舞台は北海道なんですが、主人公が療養に訪れる家の壁は「下見板張り」という洋館によく見られるスタイル。この下見板張りが日本に最初に入ってきたのがまさに北海道らしいんですね。明治政府が北海道開拓の時にアメリカから顧問団を招いてアメリカ開拓時の技術を導入したらしく、その時に入ってきたそうです。
家の壁ひとつにしても適当に描いていないんですね。しっかりと現地でロケハンをやってディテールにこだわっている。
他にも、時代考証的な話、構造に関する話、作品によく登場する炉・竈が持つ意味など興味深い話が多く語られています。藤森さんの解説のおかげで、ジブリがいかに徹底的に観察・想定をして建造物をデザインしているかを理解することが出来ました。

 
展覧会を見て感じたのはジブリの「描く責任」ということ。
ジブリのアニメーションで建造物を描くという行為は、ある意味実際に作る建築家に次いで、建造物の事を考えていなければいけないのではないか。

どういう土地だったからこの建材を使ったのか、どんな時代だったからこの建築スタイルになったのか、どういう生活だったからこの間取りになったのか、そういうリアリティがあってはじめて、架空の世界に命が吹き込まれ、人物たちがいきいきと動き出すのだと思います。
そしてこの建造物と登場人物の関係性は、現実の世界と同じです。
子どもたちに何かを感じてもらう作品にするためにはこの「描く責任」を持ってやる。
これこそがジブリのアイデンティティになっているのではないでしょうか。

 

 
展示は背景画の他にもイメージボード、設定画に迫力のジオラマもあって見応え充分です。これが入園料の400円で見られるなんて!(中学生以下無料!)

この後、江戸東京たてもの園をまわりましたが、ジブリ作品に出てきそうな建物がたくさんで二度美味しいです。

 

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