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スター・ウォーズ/フォースの覚醒 タイトルロゴについて

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世界中で愛されているスペースオペラ。ついにエピソード7が公開になりました。

おなじみのキャラクターそれぞれにしっかり見せ場が用意されていて、古くからのファンは「いよっ! 待ってました!」と心の中で叫んだことでしょう。新たな主人公レイ(デイジー・リドリー)とフィン(ジョン・ボイエガ)も好演していてナイスキャスティングでした。

これほど隅々まで知り尽くされている作品もないわけで続編は相当難しかったと思いますが、お約束で期待に応えつつ驚きの展開も盛り込んで満足の出来でした。バトンタッチでこの王道感を出せるJ.J.エイブラムス監督は素晴らしいです。

 

さて、スター・ウォーズといえば冒頭にデーーン! と出てくるタイトルロゴ。かっこいいですね。あのロゴと音楽で一気に作品の中に引き込まれます。

今回の新作用ロゴも公開前からプロモーションで至る所で目にしたわけですが、職業柄、初見で「お?」と思いました。そしてすぐに「うん、そうだな」と納得しました。

一瞬引っかかった部分は、サブタイトル「THE FORCE AWAKENS」の文字。先頭の“T”と最後の“S”だけSTAR WARSの左右幅から飛び出しているんです。

ロゴデザインは基本的には揃えていく作業をやります。高さを揃えたり幅を揃えたり角度を揃えたり、ひとかたまりに、可能な限りシンプルな形にして単体で強いものにしていきます。ですので軽く考えると、このぐらいの出っ張りはSTAR WARSの左右幅に揃えてしまいたい、と思ってしまうところです。

ではなぜ飛び出させているか。作者の意図を勝手に汲んでみます。

 
まずオリジナルのスター・ウォーズのロゴを見てみると、全体のフォルムは長六角形を意識したものだとわかります。
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次に今回の新作用ロゴ。STARとWARSの行間を広げてTHE FORCE AWAKENSを挿入しています。天地は高くなりましたが、飛び出しているTとSを頂点として長6角形のフォルムになっています。オリジナルの雰囲気を崩すことなく新たなロゴにすることに成功しています。

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ではTとSを飛び出させずにSTAR WARSの左右幅に揃えてみたものはどうでしょうか。揃えた分、両サイドの縦のラインが強調されています。行間を空けて天地が高くなったこともあり、オリジナルの長6角形のシルエットは消え、長8角形が浮かび上がってきました。
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スター・ウォーズは全作品、宇宙空間から始まります。星をバックにしたタイトル、消失点に収束していくあらすじ、そして三角形の巨大戦艦スター・デストロイヤー。全てパースが効いているのは、果てしない宇宙の広大さを強調するためでしょう。

左右の頂点に収束していく6角形と、スパッと切れて終わっている8角形。どちらが宇宙の広がりを表現できているかは明快です。

 

しかしスター・ウォーズは世界で公開されるので、言語によっては全く6角形ではなくなっているロゴもありますね。日本語「フォースの覚醒」も短いので左右から飛び出させるわけにはいかなかったようですが、きちんと遠近感・奥行きを強調するようなサイズ・バランスになっています。

ロゴタイプやシンボルマークを見て、なんでだろう、 と思ったらじっくり観察してみると理由が色々見えてきて面白いですよ。

 

 

 

あけましておめでとうございます 2016

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今年の年賀状はイケメンゴリラのポップアートパロディにしました。東山動植物園シャバーニくんが有名ですが、こちらは福岡市動物園のビンドンくんです。撮影森下です。

 

元ネタはアンディ・ウォーホル牛の壁紙。

 

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こちらは1966年の作品。当時蛍光色は一般的ではなく、かのパントン社でさえ蛍光ベースの色を発表するのは1972年になってからとのこと。いかにウォーホルの作品が時代の最先端を行っていたかということですね。