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ヴァンヌーボ×15人の写真家

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2014年11月20日(木)—2015年1月13日(火) 竹尾 見本帖本店2F

 

印刷の再現性というのは通常ツルツルツヤツヤの平滑度の高い紙になるほど良くなります。家庭用プリンター用紙のフォト光沢紙がそういう紙ですね。ですがこのヴァンヌーボは手触り感がある「風合いのある」紙でありながら高い印刷再現性を持つという、いいとこ取りな紙です。マットな質感で且つ発色の良さを両立する「ラフ・グロス」の草分け的存在のヴァンヌーボ。発売20周年ということで日本を代表する写真家の作品を最高の印刷表現で追求する、という展覧会が開催されていました。

川内倫子さんの淡いトーンから森山大道さんのバキッとした黒、蜷川実花さんの鮮烈なブルー。「ヴァンヌーボを選んでおけば間違いない」という信頼感を持っているのですが、まさに万能選手です。

 

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これは会場で配布されていた解説パンフレット。全作品を中島英樹さんがアートディレクションされています。アートディレクターの指示に技術的に応えるプリンティングディレクターのコメントが頼もしい。会場には完成に至るまでの赤字指示を入れた初校、2校の校正刷りも展示してあり、こちらのほうも興味深く拝見しました。やはり良い紙を選び、校正を重ねて狙い通りのクオリティに仕上げられたものは凄味が違います。

 

 

「美しさを、見る世界に限り、用ゐる世界に求めなくなつたのは、近代の人が犯した大きな誤謬でした。」

 

民藝運動の柳宗悦の言葉ですが、美術館にある工芸品よりも、日々生活のなかで触れる実用品の良さ、美しさを大切にしなければ社会は向上しないと言っています。印刷物もそういう意味では実用品です。一点ものの美術品とは違って広く一般の手に行き渡るものです。美しい印刷物が多くの人の美意識の水準を引き上げる、と言っても過言ではないはず。

 

「スーツには良い生地を選ぶのに、名刺では安売りのチラシと同じ紙を選んでいる」のはやっぱりおかしいわけです。良い品質の印刷物の文化がもっと浸透しますように。

 

 

あけましておめでとうございます

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テンションを上げて書いたコメントの年賀状が「あて所に尋ねあたりません」と返送されてきて恥ずかしい思いをする時期ですね。

ブログは今年も思いついた時に更新して行こうと思っております。

 

 

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