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多は少を兼ねない

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海外旅行から帰って撮影した写真を眺めていた時「失敗したな」と思ったことがありました。

一眼レフは荷物になるかもと思い、持って行ったズームレンズ付きのコンパクトカメラ。これが罠だった。なんかズームで超広角を使ってしまうんですよ。よーしせっかくだから建物全体を入れようなんて欲が出て。全体が入っているからなんだってんだと自分を問い詰めたい。下から見上げてパースの効き過ぎた建物の写真なんかひとつも良いところないだろうと。単焦点なら余計なこと考えずにもっと端正な写真が撮れていただろうにと。

できることが多けりゃいいってもんじゃないですね。自分の必要なものだけに制限すべきと反省しました。

 

 

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安藤忠雄展-挑戦-

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2017年9月27日(水)—12月18日(月) 国立新美術館

 

安藤建築は快適さだとか便利さとかそういったことではないですね。モニュメントのようです。建物自体のパワーがすごい。住居よりも教会や美術館など非日常の場で真価を発揮するようです。21_21での展覧会は通常の箱型美術館で観るものとは明らかに気分が変わるし、直島の一連の施設での現代美術との相乗効果もすばらしいものでした。

 

安藤さんの作品には建築のための建築ということを感じます。目的はもちろんそれぞれあるんでしょうけど、個が強く感じられます。

かつての巨大建築は信仰や宗教のために生まれたそうです。建物の高さは死者の魂を天に届けるためであり、大きさは人々を威圧して神聖を感じさせる必要があったからとか。しかしこの展覧会で安藤さんが手がけた建造物を見ているうちに、果たしてどうだったのかと考えました。

巨大なモノを見たときに感じる畏怖や興奮は文明文化以前に動物的な感覚です。子どもは目的なんて考えずにおもちゃを高く積み上げたり、砂で大きな山を作ったりします。太古の人々が巨大な石を積み上げたのは何かのためにというよりもただ「なんだかすごい!」ということだったのかもしれない。神のため王のためが始まりではなく、建築のための建築みたいなことをやっていたのかもなと。

建前をとっぱらえば今も昔もそれが自然な人間の欲求でしょう。展覧会タイトルは「挑戦」。現代でそれをやり通す挑戦という意味も含まれているんだと思います。

 

 

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